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観光で考える都留 (1)飲食店 [都留覚書]

都留は人口のわりに飲食店が多い!」とあちこちで熱弁してきたけど、これは僕が出張で全国各地に行った印象でしかない。では、実際どうなのか、ざっくり統計にあたってみた。

総務省の「社会・人口統計体系」(2017年版)によると、都留市の人口は32,002人(2015年センサス)。飲食店数は199事業所。これを同じ人口、事業所数の規模の市町村と飲食店事業所数を比べてみる。

●人口の近い市(近い順)
①秋田県鹿角市 32,038人 141事業所
②岡山県高梁市 32,075人 130事業所
③長崎県平戸市 31,920人 132事業所

おもしろいことに、僕が好きな街がならぶ。かつて郡の中心部で栄えていた歴史ある街。いずれも交通の要衝にあり、鹿角は鉱山で、高梁も鉱山とべんがらで、平戸は海上交通と南蛮貿易で栄え、それらの歴史が観光資源になっている。3市とも行ったことがあり、それなりに店があって賑わいがある印象だったけど、統計で都留と比較するとこんなに差があるとは驚き。

●飲食店事業所数の近い市(近い順)
199事業所で同数の市が神奈川県綾瀬市、熊本県宇城市、以下こんな感じ。おもしろいので少し多めに出してみる。
198事業所=東京都稲城市、愛媛県八幡浜市
197事業所=岩手県釜石市、福島県二本松市、大阪府柏原市、徳島県吉野川市
201事業所=富山県氷見市、新潟県小千谷市、静岡県牧之原市、京都府城陽市、岡山県真庭市

これらの街を分類してみると、
A.都市近郊ベッドタウン
稲城市(87,636人)、綾瀬市(84,460人)、城陽市(76,869人)
B.郡域レベルの広域合併市
宇城市(59,756人)、吉野川市(41,466人)、牧之原市(45,547人)、真庭市(46,124人)
C.小規模合併or未合併
八幡浜市(34,951人)、釜石市(36,802人)、二本松市(58,162人)、柏原市(71,112人)、氷見市(47,992人)、小千谷市(36,498人)

となる。
Aは人口規模は大きいが40~50年で急激に人口が増えた地域。
Bも人口規模はそこそこあるもの、いずれも町村のみの合併=市を含んだ合併はひとつもない。市域が広く、商業集積の規模は小さい。
Cは平成の大合併で合併していないか、となりの1町と合併したくらいの街で、古くからの街が名を連ねる。

都留市はCタイプの市になる。Cのなかで人口の近いのは八幡浜、釜石、小千谷だが、いずれもかつては4-5万人の人口を擁していた街で、その名残もあるといえる(人口が減ったぶん店が多く見える)。でも、都留市は5万どころか4万も超えたことはない。つまり、3万~3.5万の安定した人口推移のなかで、これらの街と比肩する数の飲食店が存在するということだ。

ここまで調べたからには、最後に…
都留よりも人口が少なくて、都留よりも飲食店数が多い市
①和歌山県新宮市 29,331人 364事業所
②和歌山県御坊市 24,801人 233事業所
③静岡県下田市 22,916人 273事業所
④北海道根室市 26,917人 222事業所

この4市しかない(逆に都留よりも人口が多いのに飲食店が少ない市は184もある)。いずれも上記のCのように、かつて栄えて現在人口が激減してしまった街ばかり。あと、河口の港町で交流人口が多く、経済圏が広いという特異性もあるだろう。
これらと比べても都留市の飲食店構造はかなり特殊と言える。それは山梨特有の「無尽」文化と、学生街という特色に支えられている。この特色をもっと活かせないか。

なお、はじめに挙げた、人口が近い市3つのうち、都留市と条件が近いのが高梁市。中山間地域の人口3万人の街に1500人の学生が住んでる、城下町で鉱山があったという歴史も共通点。岡山・倉敷・福山とかの近隣の大都市からの距離も近い。けど、天空の城で有名な備中松山城とその城下町、そしてベンガラ鉱山の観光化で成功を収めている点や、何よりの違いは岡山県トップの生産量を誇るブドウ産地(今年、日本農業賞!)という農業基盤の強さはちょっと比べものにならない(たぶん生産額で30-50倍はある)。人口だけじゃない、地域資源の活かし方と、足腰の強さの差。都留市のまちづくりを考えるうえでは、ちょうどよい比較対象ではないか。


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