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国立演芸場「宝井馬琴襲名二〇周年記念公演」 [田舎者の東京散歩]

まず無理だろうと諦めていた公演のチケットが幸いにも手に入ったので、行く。

関係者に聞いたところ、チケットは即日完売だったそう。馬琴先生も「いつもならお願いして歩かなければいけないのに」と言っておられた(志の輔師匠効果は大きいだろうが)。国立演芸場が満席。失礼ながら、講談にこんな人気があったとは…。
番組は以下。
《講談》宝井琴柑
《落語》三笑亭夢花「反対俥」
《落語》立川志の輔「バールのようなもの」
《講談》宝井馬琴「細川茶碗屋敷」
―仲入り
《マジック》北見マキ
《講談》宝井馬琴「関ヶ原合戦余聞~宇喜田秀家八丈島物語」

「細川茶碗屋敷」は落語「井戸の茶碗」のもとになった話。落語でも好きな噺なので、講談で読む場合との違いが楽しめた。落語では屑屋視点、講談では細川家の若侍視点で演られる。武家文化の講談と、町人文化の落語の違いがわかりやすい。

「宇喜田秀家八丈島物語」はその名のとおり豊臣秀吉の養子であり五大老の一人であった宇喜田秀家の八丈島配流とその後の話。悲劇の貴公子である。孤島に暮らす秀家を支えた福島正則の義理人情のように、目頭が熱くなってしまうような話、そして、今まさにその場面が繰り広げられているかのような読みが、講談の魅力。引き込まれた。満喫できた。

にわかに落語ブーム、講談ブーム(これは下火?)だと言われているとおり、どちらかというと講談より落語、それも年季が入ったファンというよりは、にわかファンの観客が多いような感じ(まあ僕もにわか講談ファンには違いないのだけど、それは棚にあげておいて)。
隣の夫婦は明らかに定年で暇を持て余した感じで、落語以外も含めたいろんな興行や演奏会なんかのチラシを見て「今度はこれを見に行こう」とか話していた。観客のおおかたはこんな雰囲気の初老もしくは老年の方々。前の方の若い男2人は完全にマニアな感じで「○○のこの話が…」「○○ホールでやった独演会のときに…」とか話しているのがいたり、お洒落な、演芸場なんて似つかわしくない(失礼)若い女の子のグループや、カップルも来ていて、明らかに「幅広い客層」という感じ。
それはそれで良いことなんだろうけど、襲名二〇周年記念公演としてはいかがなものかなと。チケットが即日完売したのはチケットをネット販売した効果が大きいようだけど、もしかしたらそれによって20年以上応援し続けている年季の入ったファンが来たくても来られないというような現象もあったのではないか。初めて馬琴先生の講談を聞いたにわか講談ファンが言えた義理ではないけれど。
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