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座高円寺ドキュメンタリーフェスティバル 『流血の記録 砂川』 [田舎者の東京散歩]

久々に書く。座高円寺ドキュメンタリー映画祭での『流血の記録 砂川』の感想。

1956年の米軍立川基地拡張の反対運動、砂川闘争を記録したドキュメンタリー。上映終了後の足立正生氏と山崎裕氏のトークショーでの言葉を引用すれば、砂川闘争は戦後日本の大衆運動と国家権力がぶつかった最初の事件だという(血のメーデーなどそれ以前にもあったが、農民、労働者、学生が連帯したという意味において)。この運動が60年安保、三里塚闘争へと続いていく。そしてこの闘争は農民が国家権力に立ち向かい、勝利し土地を守ったという点でも歴史的な出来事だった。
昨年の夏に仕事で東京北多摩に行き、砂川闘争にも関心を持っていたこともあって、大雪のなか出かけて行ったのだ。

闘争の中側に入り、農地の中で行なわれる白兵戦さながらのぶつかり合いの映像もさることながら、踏み荒らされる麦や芋、種まきの様子、炊き出しをする農家のかあちゃんたちとピケ参加者の笑顔が印象的だった。また、今日では基地問題といえば沖縄のイメージばかりだが、砂川闘争には小牧、木更津、新潟そして沖縄など基地問題を抱える他の地域からも支援が入っていた。作中で沖縄から来た青年が語る「先日も8歳の女の子が米兵に乱暴されたんです。こんなことが日本中で起こってはならない」という状況は今も変わっていない。白黒映像が古めかしく見えるが、たった60年前の出来事なのだ。
各地から応援に来た人たちと、砂川の人たちは互いに地元のお祭りのお囃子や芸能を披瀝し合う。そして、決起集会の会場は地元の神社だ。この闘争は、私有財産としての土地を守るための闘いではなく、開墾以降350年に渡って耕し続けた先祖と村が築いてきた文化や歴史を守る闘いだったのだ。そういう意味では、その闘いは今も続いていると言える。
ただの闘争の記録ではなく、土地とは何なのかを考えさせる作品になっている。いいものを見ることができた。

座高円寺ドキュメンタリーフェスティバル 特集<闘う肉体> 『流血の記録 砂川』
http://zkdf.net/program2014/feature/ryuketsu.html

なお、現在の砂川について、読売新聞の連載があったので、これも貼っておく。

変貌する街 立川 第2部・飛行場の記憶
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/kikaku/060/
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