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四万十市にて [農村から]

高知県中村(現・四万十市)に来た。

仕事を終え、昼食を食べるために小さな大衆食堂に入る。市街地は駅から離れているのだろうか、中村駅周辺には店があまりない。目につくのは民宿ばかり。
なぜ、こんなに民宿が多いのか?釣り客だろうか?

民宿の看板も掲げていた食堂のおばちゃんに聞くと、工事関係者が多いらしい。
公共事業の関係者が長期滞在するのに民宿を利用する。市役所、学校、宗教関係施設…工事は絶えず行われているそうだ。いまも高知市から西へ中村を通り宿毛市まで高速道路の建設が進められているところ。さぞ、民宿利用者も多いだろうと思いきや、昨年あたりから工事関係者がパッタリと来なくなったという。松山や高知から2時間かけて通ってくるようになったせいらしい。昔は1泊10000円まで宿泊費が出るというので、出張客は贅沢していたそうだが(一泊10000円もする民宿なんて無い)、いまやその分の経費が出ない。土日の工事も無いので、平日のみ通ってきて工事して帰る。

それじゃあ民宿にお金が落ちなくて大変でしょうと言うと、
「ここいらはみんな半分じゃけ。みんな田も畑も持っちょるきに」

…米や野菜は自分とこで取れたものを食べるから、都会と比べて生活費は半分でいいという意味か。民宿を片手間でやっているからという意味か。ひねくれているわけでも愚痴っぽいでもない。あっけらかんとしている。

「若いのどこへでも働きにいきよる。家でじいばあが田と畑で何じゃコマゴマとつくっとりゃ。田畑も屋敷もあるんじゃ、家賃もローンも無いきに」

…都会のようにローンに追われるということもないということか。半農半Xだとかカッコつけた言葉が言われているけれど、まあずっとそういう暮らしをしてきたわけだ。工事の人が来れば、その人ら相手の商売はするけれど、それにどっぷり依存してしまうわけじゃないから、来なくなっても生活に困るというわけでも無い。

しかしこのおばちゃん、民宿に来た工事関係者の宿代が一泊10000円と聞いて、宿泊料をごまかしていたと、すごいことを言う。
つまり、酒を飲むのにお金がかかるだろうから、差額を飲み代にしときなさいということらしい。高い宿代をふっかけるでもなく、良い話(ヤバい話?)である。

メニューは無い。たたきがあるというので注文すると、たたきのほかに煮物や卵焼きやトンカツや何やらいろいろついて非常に満足。たたきは厚くて酢が効いちゅうし、何だかわからないが、魚介の出汁が効いたすまし汁もとにかく美味かった。

…あ、僕の領収書の額は正確ですよ。
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